ダイエットに効果のある糖尿病薬のスーグラ錠について書いていきたいと思います。スーグラとは、一般名をイプラグリフロジンといいます。SGLT-2阻害薬に分類される糖尿病の治療薬で、BMIが高い肥満を伴う2型糖尿病治療薬として2014年4月にアステラス製薬から販売されました。1年間の処方制限があり、2015年5月に安全性が確認され処方制限が解禁されました。副作用である低血糖が起こりにくくダイエット効果もあり、長期処方日数制限などもないため、知名度と人気が上がっています。
スーグラの効果
通常、健康な人の尿から糖分は排出されません。尿から糖分が出てくる病気は2つあり、糖尿病と近位尿細管障害です。糖尿病は、もともと腎臓が糖分を回収できる限界の血糖値は180mg/dlといわれており、その血糖値を超え尿から糖分が出てきてしまう病気です。そして尿細管疾患に分類される近位尿細管障害は、尿細管という糖分を吸収するのに大切な場所が障害される病気です。ファンコーニ症候群も尿細管疾患に分類され、この症状になってしまうと尿から糖分が出ていってしまいます。近位尿細管には糖分を吸収するSGLT-2と呼ばれる糖分吸収用通路があり、SGLT-2阻害薬であるスーグラは、その近位尿細管の糖分吸収通路であるSGLT-2で糖分の吸収を選択的に抑え、尿から糖分の排泄を増やすことにより、血糖降下作用が起こるのです。
これにより、食事で摂取したカロリーを体外に排出しますので、スーグラがダイエット効果があるということに繋がっています。また血糖値を下げるだけでなく、内臓脂肪燃焼による体重減少や、インスリン抵抗性の改善による血圧、脂質、尿酸値などの代謝異常の軽減効果がありえるということで注目が集まっています。
スーグラの副作用
スーグラを服用し尿から糖分が出ると、浸透圧利尿と呼ばれる現象が起こり、尿の量が増加します。スーグラなどのSGLT-2阻害薬を服用すると、尿糖排泄増加に伴い1日当たり約500mlぐらい尿量が増加し、高齢者では脱水症状となる可能性があるといわれています。また膀胱炎などの尿路感染症や、性行為関連の感染症が増えるといわれています。
糖質制限食を強めに実行している方では、糖質が極端に少なくなり、脂質やたんぱく質を身体が分解し、その分解産物であるケトンが増加し、ケトーシスとなる場合があります。気分が悪くなったり腹痛や食欲減退、呼吸困難などに注意が必要です。
スーグラを服用するにあたっての注意点
尿量が増加し脱水症状になることがあるため水分をこまめに摂取してください。水分摂取をこまめにすることにより、尿路感染症の予防にもなります。
また飲酒は控えてください。アルコールの分解には糖が使われていて、特に大量に飲酒してしまうと血糖値の低い状態になる場合があります。アルコールの分解中にスーグラの効果によって、糖分の再吸収が阻害されてしまうと低血糖となる可能性があります。もし低血糖によりめまいなどの症状が起こった場合には、糖分が多めに入ったジュースを飲むなどの糖分の補給をしてください。
スーグラ処方
スーグラは糖尿病患者以外の方(メタボリックシンドロームや肥満症の方など)は保険適用外です。もし、インターネットなどで個人輸入業者からの購入しようと考えている方はご注意ください。インターネット販売している個人輸入の薬剤は、値段が安いメリットはありますが偽物が多く、健康被害が生じる可能性がありますので、専門のクリニックや病院で処方してもらう事をオススメいたします。
仙台ユナイテッドクリニックおよびユナイテッドクリニック全院でも、ダイエット治療薬の処方を行なっております。サノレックスやゼニカルなども取り扱っております。ご相談だけでも問題ありませんので、是非御来院ください。
