コラム

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2021.02.16

器質性EDとは

ED(勃起不全)とは

ED(Electile Disfunction;勃起不全)とは、様々な要因から陰茎の勃起が妨げられ、勃起しない状態や、勃起しても硬さが足りない事で満足に性行為を行えない状態を指します。EDの症状には程度がありますが、原則として自分の意思に反してすぐに勃起しない、してもすぐ勃起が落ち着いてしまう(中折れ)等が原因で満足な性行為を行えない事が3カ月以上続く場合にEDと診断されます。一人で自慰行為は行えるがパートナーとの性交で勃起しない、といったいわゆる「妻だけED」といった場合もEDと診断されます。
現在日本には全く勃起しない、勃起はするが硬さが足りず挿入は出来ない、挿入できるが途中で萎えてしまう等の中等度を含む潜在的EDの患者数は1,130万人に上ると言われており、その有病率は年齢と共に上がっていきます。40代前半でおよそ20%、50代後半で40%、65歳以上では60%を超え、高齢化社会である日本における患者数はこれからもまだ増加すると予想されています。また近年は20~30歳代の様な若い方のEDも増加傾向にあり、「まだ若いからEDとは無縁」とは限りません。

年齢 40代前半 50代後半 65歳以上 70歳代
ED発症率(%) 20% 40% 60% 70%以上

表:年齢に伴うEDの発症率(%)

器質性EDとは

EDはその原因から器質性ED、心因性ED、薬剤性ED、そしてこれらが複合的に混ざり合った混合性EDの4種類に分類されます。その中でも糖尿病、高血圧、高脂血症といった病気や怪我による外傷に伴い勃起に関わる組織に異常が起こり、物理的に勃起が阻害される事で引き起こされるEDの事を器質性EDと言います。

器質性EDには陰茎海綿体の動脈硬化、勃起時の整脈閉鎖機構の障害といった血管の障害から引き起こされる血管性のED、脊髄損傷による脊髄神経の障害、前立腺がん摘出手術等に伴った抹消神経の障害など神経系の障害を原因とする神経性のED、男性ホルモンのテストステロンの分泌量が減少する事によって勃起、射精をもたらすホルモンであるドーパミンが生成されにくくなる内分泌系のEDといったものが存在します。特に糖尿病患者の中でED症状を併発する方はおよそ80%と大変高く、高血圧患者、高脂血症患者のED併発率も60%を超えており、生活習慣病に伴うED症状が問題に挙がる事は少なくありません。

器質性EDの治療

器質性EDの治療には多くの場合ED治療薬が有効です。バイアグラ、レビトラ、シアリス、アバナフィル、ウデナフィルといったED治療薬は患者の80%に効果があり、PDE-5(ホスホジエステラーゼ5)阻害薬に分類されるこれら薬剤は、勃起に関わる酵素PDE-5の活動を抑制する事で陰茎部周辺の血管を拡張させる物質cGMP(環状グアノシン一リン酸)を相対的に増やし、陰茎海綿体の平滑筋を弛緩させる事で流れ込む血液量を増加させスムーズな勃起を助けます。

これらED治療薬は併用禁忌薬などの関係から服用出来ない方を除き、用法、用量をお守り頂ければ重篤な副作用が現れる事はほとんど無く、原疾患の改善の様に時間をかける必要が無い為ほとんどの方はまずED治療薬によるED症状の解消を図ります。

亜鉛不足でも器質性EDになる

器質性EDの原因には亜鉛不足が関与している場合があります。アメリカのデトロイトにあるウェイン・ステイト大学における実験では、毎日の食事において1mgずつ亜鉛を不足させる生活を続けさせたところ、亜鉛の制限を行なった5人の被験者の内5人のテストステロン値が低下し、そのうち4人は精子量も減少を見せました。被験者達は全員ED症状を訴え、その後毎日正常な食事と30mgの亜鉛の摂取を開始しましたが、正常なテストステロン値に戻るまで16~20週間を要したと報告されています。
器質性EDの治療は原疾患の治療をしっかり行なう事が大切です。糖尿病、高血圧、高脂血症といった生活習慣病は治療と並行して生活習慣自体を見直す必要があります。手術や事故によるED症状は麻痺や神経反射機能の度合いによって差はあるものの、時間経過に伴って治る場合があります。

ED治療薬を服用できない方

以下の方はED治療薬(バイアグラ、レビトラ、シアリス、アバナフィル)を服用する事が出来ません。

1.ED治療薬の成分(シルデナフィル、バルデナフィル、タダラフィル、アバナフィル)において過敏症の既往歴のある方
2.硝酸薬あるいはNO(一酸化窒素)供与剤(ニトログリセリン、亜硝酸アミル、硝酸イソソルヒド)を投与中の方
3.心血管系障害など性行為自体が不適当と考えられる方
4.重度の肝障害のある方
5.低血圧の患者(血圧90/50mmHg以下)又は治療による管理がなされていない高血圧の患者(安静時収縮期血圧170mmHg以上又は安静時収縮期100mmHg以上)
6.過去6カ月以内に脳梗塞、脳出血、心筋梗塞の既往歴のある方
7.網膜色素変性症の方
8.塩酸アミオダロン(経口剤)を投与中の方

また上記に加え、先天性QT延長の方、クラスIA(キニジン、プロカインアミド等)又はクラスⅢ(アミオダロン、ソタロール等)の抗不整脈薬を投与中の方、抗HIV薬(リトナビル、インジナビル、アタザナビル、サキナビル、サキナビルメシル塩酸、ホスアンプレナビル、ロピナビル、リトナビル、ダルナビル)を投与中の方、経口抗真菌薬(ケトコナゾール、イトラコナゾール)を投与中の方、透析中の方はレビトラ、アバナフィルを服用する事は出来ません。自分が該当するか不明な場合は一度かかりつけの医師か仙台ユナイテッドクリニックの医師に御相談ください。

記事監修

平成16年
秋田大学医学部医学科卒業
平成16年
上尾中央総合病院
平成26年
ユナイテッドクリニック池袋院
平成27年
ユナイテッドクリニック上野院
平成29年
ユナイテッドクリニック大宮院院長就任
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