2020年、ザガーロのの特許権が満了を迎え、全てのAGA治療薬のジェネリック医薬品が販売(処方)されるようになりました。仙台ユナイテッドクリニックでは、全てのAGA治療薬のジェネリック医薬品を処方しています。
AGA治療薬として有名なプロペシア(フィナステリド)ですが、インターネットでは長期的に使用することで耐性ができてしまい効果が薄れるという噂があります。回答から言ってしまうとそのようなことはありません。なぜ耐性ないといえるか、耐性ができると思われてしまった方への改善・対策についてご説明します。
プロペシアとは
プロペシアはアメリカのメルク社によって開発されたAGA治療薬です。日本で初めて厚生労働省に認可された経口AGA治療薬でもあります。プロペシアの有効成分はフィナステリドです。AGAの原因として最も多いと考えられているのがジヒドロテストステロン(DHT)という悪性のホルモンの増加で、テストステロン(TH)というホルモンと5αリダクターゼ(5α還元酵素)という酵素が結合することでDHTになり、DHTが増加することで毛髪の成長周期が乱れ、抜け毛が増えてしまうというものです。フィナステリドには5α還元酵素の働きを阻害することでTHとの結合を抑え、DHTの生成を抑制するという作用があります。そうすることで毛周期を正常化し脱毛を防いでくれるのです。
プロペシアの耐性について
薬剤における耐性とは長期的に繰り返し服用することで、成分に対して身体が抵抗を持ち効果が薄まる事を指します。
プロペシアの耐性についてですが、海外の調査で10年間プロペシア1mgを毎日服用し続けた際の効果を調べるというものがありました。被験者は20歳~61歳の男性で心身ともに健康なAGA患者で、男性ホルモンを抑える薬やミノキシジルなどのAGAに影響を与えそうな薬の服用の禁止、ヘアスタイル剤の使用及び染髪を禁止するといった条件で行われました。結果は以下の通りになりました。
5年後
悪化 2%、不変 45%、改善 53%
10年後
悪化 4%、不変 28%、改善 68%
この結果を見ても分かる様に5年後よりも10年後の方が改善の割合が増加しています。フィナステリドは脱毛を防ぎ現状維持~軽度改善することを主としたお薬です。不変と改善を合わせた96%の方に効果があったといっても過言ではないでしょう。また、販売元であるMSD株式会社もこのような発表をしています。
「耐性について報告された文献は今のところなく、日本国内では3年、海外では5年に渡る長期的な試験が実施されており、プロペシア服用によってそれぞれ98%、90%の患者にAGAの進行抑制、改善効果が認められ、この試験期間中には耐性は見られなかった」
以上のことからプロペシアを長期服用しても耐性ができることはないことがわかっていただけたと思います。ではなぜフィナステリドに耐性があるという話が生まれてしまったのでしょうか。次の項ではその理由について考えられるものををご説明します。
プロペシアの効果が薄まったと感じられる原因
AGA以外の脱毛症
プロペシアはAGA治療薬なので当然ながらAGA以外の治療薬には効果が期待できません。服用当初はAGAのみが薄毛の原因だったため効果を実感していたとしても治療中に他の脱毛症(円形脱毛症、脂漏性脱毛症等)にかかってしまい、プロペシアの効果を感じられなくなってしまう事もあると思います。症状をお調べになって心当たりのある方は皮膚科やクリニックに相談してみるのも有効です。
服用方法に問題がある
プロペシアは1日1回、毎日なるべく同じ時間に服用するのが正しい服用方法です。これは成分の血中濃度を一定に保ちプロペシアの効果を引き出すために必要なことです。長期的に服用していると慣れの油断から飲み忘れて2日に1回になってしまったり、飲む時間が統一されていないなどあるかもしれません。
頭皮ケアのやり方に誤りがある
頭皮のケアも間違ったやり方をしていると逆効果になってしまいます。洗髪の仕方に問題があり、皮脂の汚れが落とせていなかったり、シャンプーを泡立てずに頭に付け髪の毛で泡立てることで毛髪にダメージを与えてしまっていたり、ドライヤーを至近距離で長時間同じところに使用してしまい髪の毛の水分が少なくなってしまう等考えられます。また、過度なブラッシングやマッサージも毛髪を痛め、抜け毛増加の原因となる可能性がありますのでご注意ください。
生活習慣によるもの
睡眠不足や毛髪の成長に必要な栄養が不足することも影響を与えます。他にもストレス、煙草やアルコールの接種も必要な栄養を消費したり、血流を悪くしてしまい髪の毛への栄養供給に悪影響を与えてしまいます。
まとめ
プロペシアは長期服用しても耐性はないので安心してお使いください。もしもプロペシアの効果に満足出来ない場合は、ザガーロへの切り替えをお勧めします。ザガーロはプロペシアと同様に5α還元酵素を阻害する働きを持ち、プロペシア以上に脱毛を防ぐ力があります。
プロペシアやザガーロは単体で服用するより、発毛を促すミノキシジルと併用するのが標準治療とされています。そうすることで、より効果的にAGA治療を行うことができます。2020年にザガーロのジェネリックが販売されたので、AGA治療薬はすべて安価なジェネリックでの処方が可能です。