近年、健康志向のブームにより女性だけでなく男性も美容に気を遣うようになってきました。テレビなどでは、アンチエイジングに良い食べ物として「アサイー」が良いと紹介されたり、アンチエイジング食品としてゴマやニンジンなども効果があるといわれています。また、アンチエイジング効果のある食材などを使ったアンチエイジング食事（料理）の作り方なども紹介されています。そんな中、ED（勃起不全）の原因の一つでもある老化は男性にとっても悩みの種になり、男女問わず気になるアンチエイジングですが、EDの改善に用いられるED治療薬にはアンチエイジング効果があることが分かっています。
シアリスとは
Cialis（シアリス）は、米国のイーライリリー・アンド・カンパニーがED治療薬として世界で3番目に開発・製造し、2003年から欧米で販売を開始しました。日本では、厚生労働省に2005年9月に承認申請されました。そして、2007年9月から日本イーライリリー株式会社から販売され、2009年7月からは販売が日本新薬株式会社へと移管されました。
シアリスの主成分は「タダラフィル」で、バイアグラやレビトラと比較すると、シアリスは唯一即効性がないことが大きな欠点です。逆に最大の特徴は、長時間効果が持続する点です。個人差はありますが最長36時間と作用が持続するため、金曜日の夜に服用すれば日曜日の朝まで効果が持続することから、海外では「ウィークエンドピル」とも呼ばれています。
シアリスの効果は、服用してから約1～2時間程で発現し、約30～36時間程効果が持続します。血中濃度のピークは服用から3～4時間です。その後は緩やかに効果が下がっていきます。効果の発現が1～2時間かかるので即効性があり、長時間作用するウデナフィルに切り替える方も少なからずいます。また、バイアグラやレビトラのように強い効き目ではなく、ややマイルドな効き目の薬ですので、硬さや強さを求められる方には、「物足りない」と感じる方もいらっしゃるでしょう。
どのED治療薬も食後に服用すると効果が減弱するので、ED治療薬はすべて空腹時に服用するよう心がけましょう。シアリスは、食事やアルコールの影響を受けづらく、メーカーからは800Kcalまでは食事を取っても影響は受けないと公表していますが、食後すぐに服用するとやはり効果が減弱してしまいます。効果を最大限に発揮させたいのであれば空腹時に服用することがお勧めです。副作用もバイアグラ・レビトラに比べて発現しにくいことも特徴です。ですが、体調や体質も人それぞれですので、副作用が発現してしまう人もいますので注意が必要です。
シアリスの副作用
シアリスは、バイアグラやレビトラに比べて副作用の頻度が少ないと言われています。比較的に発現しやすい副作用の主な症状は、「頭痛」、「顔のほてり」、「消化不良」などがあり、臨床試験では、「背部痛」、「筋肉に関する痛み」も報告されています。また、「鼻づまり」、「めまい」、「下痢」などもよくみられます。
軽い副作用の発現であれば、薬が効いている証だと思って頂いて構いません。しかし、副作用の程度が大きかった場合は、病院やクリニックの医師に相談しましょう。
シアリスのアンチエイジング効果って？
シアリスやバイアグラなどのED治療薬には血管拡張作用がありますが、近年、シアリスは血管年齢を若く保つ血管内皮機能の改善作用、つまりアンチエイジング効果があることが分かり、研究が急速に進んでいます。2007年から2008年にかけてEUやアメリカなどで低用量のシアリスの定期処方が認められ、臨床試験で毎日シアリスを服用してもらった患者からは、「血管の老化」、「循環器疾患のリスク」が下がったという報告がEUやアメリカの研究機関からあがりました。
シアリスのアンチエイジング効果は、血管の内側を覆っている血管内皮細胞が、一酸化窒素（NO）の生産量をシアリスが増加させることにより血管の老化を防ぐ効果が発揮されると考えられています。シアリスの主成分「タダラフィル」は4～6日程体内に残ります。そのため、定期服用を中止しても4～6日目以降も一酸化窒素（NO）の生産量が増加したままになるので、約2週間は効果が持続することが分かっています。こうしたことから、シアリスの服用によってED（勃起不全）の治療効果や陰茎動脈だけではなく、体中の血管に「アンチエイジング効果」が得られるのは、加齢などで血管障害のリスクが高い中高年の方には朗報といえるかもしれません。
動脈硬化の予防にもなる？
動脈硬化は血流が悪化することから、EDの大きな原因の一つになります。EDの原因の他にも動脈硬化はさまざまな疾患の要因になっており、心筋梗塞や狭心症、脳梗塞などが有名です。動脈硬化は文字通り動脈が硬くなることです。動脈が硬くなると、血管の内側がもろくなったり、コレステロールの塊が血管の内壁に付着し、血管の中が狭くなったり、詰まったりする原因になります。また、塊が流れて細い血管を詰まらせる、心臓の動脈を詰まらせるなど、時には死に至るかもしれない病気の原因でもあります。
ED治療薬には、体中の血管の拡張機能を向上させる作用があり、血流をよくします。また血管の修復細胞を増加させる作用もあることはご説明いたしましたが、動脈硬化の予防には、なぜシアリスの服用が効果があるのか、ご説明いたします。それは、シアリスとプラセボ（偽薬）を使った臨床実験では、1回20mgを週3回服用したED患者は3カ月後、FMD（血流依存性血管拡張反応）がアップし、プラセボを服用した健常人（ED患者ではない人）はほとんど変化がありませんでした。また、EPC（血中血管内皮前駆細胞）への影響もシアリスを服用したED患者は、FMDと同様にEPCがアップしました。プラセボを服用した健常人はほとんど変化しなかったと結果がでました。こうした結果から、血管障害などの動脈硬化を予防または、進行を遅らせられるという効果がシアリスにはあるといわれています。
EDの原因に血管障害の影響はとても大きく関わりますので、普段の生活習慣の乱れなども改善することは大切です。仙台ユナイテッドクリニックではバイアグラやレビトラの他にもシアリスの処方もおこなっておりますのでお近くの院までお越し下さい。
