コラム

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2020.11.07

ミノキシジルと耐性

AGA(男性型脱毛症)でお悩みの方、または治療中の方は、AGA治療薬の「ミノキシジルは前頭部に効かない」「ミノキシジルが効かない」、「プロペシア・ミノキシジル効果なし」、「プロペシア耐性」、「ミノキシジルタブレット耐性」などとインターネット上で一度は、見たり、聞いたりしたことはあるかも知れません。プロペシアやミノキシジルだけではなく、プロペシアと主成分が同じフィンペシアや外用薬のリアップなども耐性などで効かなくなると心配されている方も多いのではないでしょうか。

薬剤の耐性とは

医薬品の一部には、治療などの目的で薬剤の投与を繰り返しているうちに薬剤の効果が徐々に弱くなり、最終的にはほとんど効かなくなるという事が起こる場合があります。これを耐性といいます。一般的に耳にするのは抗生物質だと思います。抗生物質の乱用による耐性菌の出現が問題になっています。耐性菌にはたくさん抗生物質を服用しても全く効果がありません。AGA薬にも「最初は薬剤の効果がはっきりと現れていたが、毎日常用していたら徐々に効かなくなったように感じる」という方は少なくありません。薬は病気の症状を緩和・改善する効果などがあるので、「効きが悪くなったから、たくさん飲めばいい」と思い勝手に量を増やす方がいらっしゃいますが、副作用の原因になりますのでやめましょう。

ミノキシジルとは

ミノキシジルは、アメリカのアップジョン社が高血圧症薬として開発し、1970年代後半からアメリカで処方され始めました。ミノキシジルを投与した患者に副作用として多毛が認められ、外用の発毛剤の成分として改めて開発がされ、1980年代に臨床試験で有用性が確認され、ミノキシジル配合の発毛剤「ロゲイン」として承認されました。今では、世界90ヵ国以上で承認され使用されています。日本では、1999年に大正製薬からミノキシジル配合の発毛剤「リアップ」が発売されましたが、「リアップ」は「ロゲイン」を元に作られています。

ミノキシジルの効果

ミノキシジルには、血管拡張作用があり、頭皮の血流をよくし毛髪に必要な栄養素が毛母細胞に行き届きやすくします。また、毛母細胞に直接働きかけ、毛母細胞の分裂の活性化を促進し、毛髪の成長を早める働きがあります。

ミノキシジルには、「ロゲイン」や「リアップ」のように頭皮全体に直接塗布する外用薬と、経口薬(ミノキシジルタブレット)がありますが、外用薬は頭皮から経皮吸収するため、内服よりも吸収率が低く、頭皮中のミノキシジル濃度を維持するために1日2回の塗付を必要とします。経口薬のミノキシジルタブレットは体内で吸収するため吸収率が高く、高い発毛、育毛効果が期待できます。AGA治療は多角的に行うことが効果的で、ミノキシジルタブレットの服用とミノキシジルローションの塗付を同時に行っている方も少なくありません。

ミノキシジルの耐性とは?

組織耐性と代謝耐性

医薬品の一部には、薬剤の反復投与によって人に何らかの変化が生じて、薬剤に対する抵抗性が生まれ徐々に効かなくなることがあります。薬剤の耐性には主に2つのものが知られており、薬剤が作用する受容体の数そのものが減少してしまい薬剤が効きにくくなる「組織耐性」と肝臓などで薬剤を分解する酵素の増加により薬剤成分の分解が早くなり、体内の薬剤濃度がすぐに減少し効果を発揮できなくなる「代謝耐性」があります。耐性を生じやすい薬剤として知られているのが、狭心症の治療に使用される「ニトログリセリン」、糖尿病に使用される「インスリン」、パーキンソン病に使用される「L-ドーパ」などがあります。アルコール摂取時に見られる、飲酒しているうちにだんだんとアルコールに強くなることは、肝臓でアルコールを分解する酵素が増加する代謝耐性にあたります。

ミノキシジルの耐性

では、ミノキシジルの耐性はあるのかというと、現状ではミノキシジルの耐性を裏付ける医学的根拠や報告はないため、耐性についての詳細は正確には分かっていません。

インターネット上には「ミノキシジルの服用後は育毛効果があり増毛したが、徐々に効果がなくなり脱毛が酷くなった」などと耐性を疑う方も多くいらっしゃいますが、こうした情報の中には、必ずしもミノキシジルの耐性とは限りません。AGA治療薬の多くは、使用開始から早くて3ヵ月後から効果が現れるといわれています。しかし、効果が現れる前に初期脱毛という症状が出る期間がありますが、全ての方に起こるわけではありません。その後、産毛が生えてきます。発毛・育毛効果には個人差はありますが、約1年ぐらいで安定します。その後、しばらくしてまた脱毛が起こる時期があります。毛髪にはヘアサイクルがあり「成長期→退行期→休止期」があるため、「退行期」と「休止期」には脱毛が起こります。この時期を多くの方が「ミノキシジルの耐性」と誤解されている方も多いのではないでしょうか。また、季節の変わり目や食生活の悪化や運動不足、睡眠不足、毛髪に必要な栄養素の不足などでも脱毛が起こる原因になります。こうした原因で起こる脱毛もミノキシジルの耐性と誤解されており、必ずしもミノキシジルに耐性があるとは限らりません。

ミノキシジルの耐性かもと思ったら

長期間のミノキシジルの使用で、効果が得られなくなってきているように感じたら量を増やせばいいと思うかもしれませんが、自己判断で投与量を増やせば副作用がみられたり、健康に害を及ぼす原因にもなりかねません。まずは専門の医師に相談しましょう。また、AGA治療薬を服用しているからと安心せずに食生活や運動不足、睡眠不足などの改善を心がけ、毛髪の栄養素になる亜鉛やビタミン類なども摂取するようにしましょう。

ミノキシジルの耐性は、詳しくは分かっていませんので自己判断はせずに医師に相談しましょう。仙台ユナイテッドクリニックでは、ミノキシジルタブレットの処方も行っており、診察料は無料ですので、一度ご相談にお越し下さい。当院では全てのAGA治療薬のジェネリック医薬品を処方しています。

記事監修

2008年
久留米大学医学部医学科卒業
2008年~
福岡大学病院にて卒後臨床研修後、同大学医学部形成外科に入局 (2017年3月退局)
2011年
山口県済生会下関総合病院形成外科
2012年
新小文字病院形成外科
2013年
福岡大学大学院生体制御系専攻入学(2017年3月修了)
2014年~
正樹会佐田整形外科病院形成外科
2016年
九州中央病院形成外科
2017年4月
ユナイテッドクリニック福岡博多院院長就任
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