糖尿病は日本国内の5人に1人以上が患者かその予備軍と言われています。糖尿病とEDは非常に密接な関係にあり、糖尿病の方の約80%はEDを合併しているとされています。なぜ糖尿病になるとEDになってしまうのでしょうか。またED治療薬を服用することはできるのでしょうか。
糖尿病とは
糖尿病とは、血糖値が高い状態が続く疾患です。私たちが生命活動するための主なエネルギー源である糖質(炭水化物)は、体内で消化される事でブドウ糖となり、血液中から全身の細胞に取り込まれることによって利用されます。つまり食事を取る(糖質を摂取する)と血糖値が上昇し、運動等によりブドウ糖をエネルギーとして消費すると血糖値は下がるのです。健康な人は、血糖値がインスリン(血液中のブドウ糖を筋肉や肝臓などへ取り込み、血糖を下げるホルモン)やグルカゴン(肝臓に働きかけて血糖値を上げるホルモン)により、一定の範囲内にコントロールされています。そのため、食事や運動をしても血糖値が極端に変動することはないのです。しかし、糖尿病の人は何らかの原因でインスリンの分泌が不十分な状態になり、ブドウ糖がエネルギーとして消費されず、血液内に糖分が多く余ってしまうのです。
高血糖の症状として、のどの渇き・トイレが近くなる・糖をエネルギーに出来ない代わりに体のタンパク質や脂質をエネルギー源にするため体重が減少する・エネルギー不足による慢性的な倦怠感等があります。更に糖尿病が進行すると様々な合併症が起こります。血糖値が高い状態が続くと、血管がダメージを受け、動脈硬化を引き起こします。さらに、血糖値の変動が大きいほど毛細血管だけではなく大血管にも影響を与え、脳梗塞・心筋梗塞など直接命にかかわる病気を引き起こすこともあります。
糖尿病とED
上述の通り、糖尿病を発症した方の80%がEDを合併しているとされています。なぜ糖尿病の方の多くはEDを合併してしまうのでしょうか。
糖尿病とEDの関連で最も大きなものは動脈硬化です。前段でも触れましたが、血糖値が高い状態が続くと全身の毛細血管がダメージを受け、動脈硬化を引き起こしやすくなります。糖尿病の方に失明する方が多いのは、眼球の毛細血管が損傷し網膜に傷が付くためです。男性の陰茎には、目の毛細血管以上に細い血管が張り巡らされています。そのため血液や血管に障害が出ると最初に症状が現れるのが陰茎なのです。陰茎が勃起するのは陰茎にある毛細血管に大量の血液が送り込まれる必要があります。動脈硬化の影響は細い血管程影響を受けやすく、勃起に関連する毛細血管は影響を受けやすいために、糖尿病患者はEDになりやすいとされています。
また、血糖値が高い状態が続くと、糖尿病性神経障害を発症します。糖毒性により、神経伝達が鈍くなり勃起しづらくなります。勃起は、脳で感じた性的刺激や興奮が陰茎に伝わり海綿体に血液が流れ込むことで起こりますが、神経回路に障害が生じると勃起に至らずにEDになる場合があります。
糖尿病とレビトラ
糖尿病が原因でEDを発症(糖尿性ED)した場合、まずは糖尿病治療を考えましょう。膵臓からインスリンを作る事が出来なくなるI型糖尿病の方は、発病すると完治はしないものの、インスリン注射で血糖値をにコントロールする。膵臓からインスリンを作る事は出来るが、その量が十分でなかったり作られたインスリンが十分作用しないII型糖尿病の方は、生活習慣の改善と薬の服用で血糖値をコントロールする事が可能です。
糖尿病性EDにはバイアグラ(シルデナフィル)・レビトラ(バルデナフィル)などED治療薬が治療の第一選択です。糖尿病治療薬やインスリンとバイアグラ・レビトラなどのED治療薬は併用することが可能です。特にレビトラ20mg錠は厚生労働省が糖尿病や精髄損傷などによる程度の強いEDの方のために承認しているED治療薬です。ED治療薬は即効性がありすぐに効果を実感していただけるため、糖尿病治療中の方もED治療薬を服用する方が多いです。2020年以降、全てのED治療薬のジェネリック医薬品が販売(処方)されるようになりました。仙台ユナイテッドクリニックでは、5種類のED治療薬が処方可能で、患者様に合わせたお薬を処方する事ができます。