「ジェネリック」という言葉を聞いたことはあるでしょうか?CMや広告で名前くらいは聞いた事はあるという方から、実際にジェネリック医薬品を服用しているという方もいらっしゃると思います。2020年レビトラの特許権が満了を迎え、レビトラジェネリックの処方が開始されました。因みに、薬の名前をレトビアと覚えてしまっている方もいらっしゃいますが、「レビトラ」が正式名称です。レビトラには5mg錠、10mg錠、20mg錠がありますが、20mg錠が最もしっかりしたED改善効果が期待できます。
レビトラ(バルデナフィル)とは
レビトラ(成分名:バルデナフィル)はドイツの世界的な医療メーカー、バイエル社がED(勃起不全)の治療を目的として開発した世界で2番目に登場したED治療薬です。レビトラは、バイアグラ(成分名:シルデナフィル)・シアリス(成分名:タダラフィル)と同じく、PDE-5阻害薬に分類されます。
レビトラの作用機序と効能・効果
勃起するためには、性的刺激を受けて陰茎内にcGMP(環状グアノシン一リン酸)という血管拡張を促す物質が分泌される必要があります。cGMPが増加することで血管が拡張され、陰茎内の海綿体に血液が流れ込み陰茎が硬くなります。しかしずっと勃起したままではいられないので、cGMPの働きを抑制する酵素であるPDE-5(ホスホジエステラーゼ5)が体内で生成されます。射精後はPDE-5が大量に生成されることで、一気に勃起状態がおさまるのです。EDの方はcGMPの生産量が少なかったり、PDE-5が過剰に分泌されるなどして両者のバランスが崩れているため、勃起不全になったり中折れの状態になってしまいます。レビトラの有効成分バルデナフィルは、cGMPを抑制するPDE-5の働きを阻害し、相対的にcGMPの量を増やす薬です。こうすることで陰茎内の海綿体に血液がスムーズに流れ込み、結果正常な勃起が促されます。
レビトラはEDを改善させます。レビトラを服用後15~30分程で効果が現れ、効果時間は5~8時間程です。
すべてのED治療薬は空腹で服用しましょう。
また、レビトラは食事の影響を受けないと思われている方がいらっしゃいます。どのED治療薬も食後に服用すると効果が減弱するので、ED治療薬はすべて空腹時に服用するよう心がけましょう。ED薬は空腹時や食後2時間に服用すること、どうしても食事を摂取する際には、事前にED薬を服用して体内に吸収させてから軽く飲食をすることが望ましいです。また、アルコール類は少量摂取しても問題ありません。
ジェネリック医薬品とは
ジェネリック医薬品とは、新薬(先発医薬品)の特許期間が過ぎた後に販売される、新薬と同じ有効成分・同じ効果の薬の事を言い、後発医薬品とも呼ばれています。ジェネリックというのは、英語で「一般的な:generic」という意味を持つ単語です。欧米では医師が作成する処方箋に、ブランド名(商品名)ではなく一般名:generic name(レビトラでしたら、「レビトラ」ではなく成分名の「バルデナフィル」)が使われることが多く、それが世界共通の名前となって、日本でも「ジェネリック医薬品」という名前が広まりました。
新薬を開発するには10~15年の長い開発期間と数百億の開発コストがかかります。そのため、新薬を開発した企業には開発から20~25年の間、特許期間として新薬の専売が認められます。一定期間の独占販売を許可する事で、開発コストを回収し、新薬開発を行う企業の利益を守るためです。そして特許期間終了後、新薬は国民の共有財産となり、開発した会社とは別の製薬会社が製造し、新薬と同等の成分・効果の薬であることを数多くの資料の提出や厳しい実験で証明することで、はじめてジェネリック医薬品として販売することが出来ます。ジェネリック医薬品は、新薬の段階で安全性や有効性が確立された有効成分を使用するので、新薬に比べ開発期間・コスト共に大幅に抑えることが出来るのです。そのため、販売価格も新薬の2~6割に抑えられ、患者さんの負担も国の医療費も節約できます。
レビトラジェネリック
日本以外では以前からレビトラジェネリックが流通していました。日本でも2020年以降、全てのED治療薬のジェネリック医薬品が販売(処方)されるようになり、ユナイテッドクリニックでは2020年12月ジェネリック医薬品の処方率が98.3%になりました。現在レビトラジェネリックはバリフや、ジェビトラ、サビトラ、東和薬品の「バルデナフィル錠「トーワ」などが処方されています。バイエル社のスタキシンは10mgのOD錠ですが製造が中止されています。
レビトラジェネリックは、作用機序・副作用・併用禁忌共にレビトラと同様です。レビトラは併用禁忌薬の種類が多く、間違って併用してしまうと健康を害する恐れがありますので知識の無い方では服用には注意が必要です。医師に相談して服用しましょう。