2015年にプロペシアの特許権が満了し、2020年、ザガーロの特許権が満了を迎えたため、全てのAGA治療薬のジェネリック医薬品が販売(処方)されるようになりました。仙台ユナイテッドクリニックでは、全てのAGA治療薬のジェネリック医薬品を処方しています。
「アボルブ」とは
アボルブとはAGA治療薬であるザガーロの有効成分であるデュタステリドを有効成分とした薬で、前立腺肥大症治療を目的としたお薬です。販売元は「コンタック」、「アクアフレッシュ」、「シュミテクト」などでおなじみのグラクソ・スミスクライン社で、2001年にアメリカ合衆国、2006年にヨーロッパ、2009年には日本で厚生労働省に認可されました。アボルブは前立腺肥大症に対する治療薬でしたが、有効成分であるデュタステリドには脱毛を抑える効果があることがわかり、研究開発が進められました。
AGAの主な原因はDHT(ジヒドロテストステロン)という成分が毛髪に影響を与え、毛周期を乱してしまう事であると考えられています。DHTは5α還元酵素(5αリダクターゼ)という成分がテストステロンという男性ホルモンと結合することで生成されます。デュタステリドには5α還元酵素の働きを阻害し、DHTの生成を抑えることでヘアサイクルを改善し、脱毛を減らす(AGAを改善する)効果があります。5α還元酵素にはⅠ型とⅡ型があり、デュタステリド同様に5α還元酵素の働きを抑える作用を持つ、AGA治療薬のプロペシア(フィナステリド)はⅡ型にしか効果がないのに対し、デュタステリドはⅠ型とⅡ型の両方に作用することから、フィナステリドよりもAGAに対する効果が1.6倍高く、AGA治療の主役になりつつあります。
「アボルブ」と「ザガーロ」の違い
アボルブと同じく、有効成分にデュタステリドを持つAGA治療薬「ザガーロ」があります。このザガーロですが製造販売元は「グラクソ・スミスクライン社」で、アボルブと同じ会社です。アボルブが使われるうちにAGA治療に効果があることがわかり、AGA治療薬として開発されたものがザガーロです。
ザガーロとアボルブは有効成分が同様のデュタステリドであるため、効果や発症する恐れのある副作用まで同等です。アボルブとザガーロの違いは適応症です。先にもご説明しましたがアボルブは前立腺肥大症に適応のあるお薬です。ザガーロはAGA治療薬です。適応が違いますが有効成分が同様のためアボルブをAGA治療薬として、ザガーロを前立腺肥大症治療に使用しても十分な効果が発揮されるでしょう。
冒頭の通り2020年、ザガーロの特許権が満了を迎えたため、全てのAGA治療薬のジェネリック医薬品が販売(処方)されるようになりました。仙台ユナイテッドクリニックでは、全てのAGA治療薬のジェネリック医薬品を処方しています。アボルブよりもデュタステリドをお勧めいたします。
「アボルブ」の服用方法
「アボルブ」は1日1回1カプセルを水またはぬるま湯で服用します。アボルブは食事や服用する時間に影響を受けない薬剤ですので、自身に都合のいい時間に服用していただいて問題ありませんが、アボルブを服用の際は24時間に1錠服用するといったように、毎日同じ時間に服用することがお勧めです。毎日同じ時間に服用することで薬剤の血中濃度を一定に保つだけでなく、飲み忘れを予防し効果が落ちてしまう事を防ぐことができます。
「アボルブ」の副作用
主な副作用として
・勃起不全
・性欲減退
・乳房障害(女性化乳房、乳頭痛、乳房痛、乳房不快感)
・食欲不振、吐き気、倦怠感
などが報告されていますが、いずれも副作用としての発生率は低いのであまり心配しなくても大丈夫です。もしも、服用を開始してから副作用を強く感じられる方は専門の医師にご相談ください。
また、アボルブに限らずAGA治療薬を服用することにより一時的に脱毛量が増加してしまう「初期脱毛」という症状が起こってしまうことがありますが、これは副作用ではなくAGA治療薬が効果を発揮した事によって、健康な髪の毛に生え変わるために不健康な毛髪が一斉に脱毛するといった症状ですので、飲み始めて抜け毛の量が増えたからといって自己判断で服用を中止しないよう注意してください。
なお、初期脱毛はAGA治療薬を服用している全ての方に起きるわけではありませんので、初期脱毛が起きないからといって薬が効いていないわけではありませんので、毎日根気よく服用をしていきましょう。
「アボルブ」の注意点
以前にアボルブを服用して「かゆみ」「発疹」などのアレルギー症状が出たことがある方や、肝機能・腎機能障害・心疾患がある方は服用が出来ません。